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2008/11/14

2008年度経営情報学科主催インターンシップ報告会開催される(11/11).【経営】

 11月11日(火) 4限(14:45~16:15)に,今年度のインターンシップに参加した本学科学生の報告会が831教室(経営情報学科棟(8号館)3階)にて開催されました.同時間帯は1,2年生の経営情報ゼミナールの時間でしたが,この報告会がゼミの振り替えとなりました.そのため,報告会へは1,2年生のほぼ全員が出席しました.

  本学科学生の今年度のインターンシップ参加学生は以下のとおり.
    大久保匠悟君, 黒岩 亮君, 福田竜也君, 船津翔太君, 松尾慶太郎君, 峯明弘君
このうち,松尾君と峯君は自身の受講講義と重なり,今回の報告会は見送りとなりました.福田君は就職面接と重なり報告会には参加できませんでしたが,報告の資料を提供いただきました.

 また,報告会の最後に就職課の北野英夫課長によるインターンシップの意義とその重要性についての講演もありました.

聴衆 質問者 北野さん
 真剣に聞き入る2年生  代表して質問です  就職課の北野課長の講演

 インターンシップの報告は,聴講生に対して分かりやすいように,いずれも以下の項目に分けて整理していました.
   研究先の紹介,研修期間中のタイムテーブル,研修業務内容,
   研修中に頑張った点・失敗した点,研修を通して得たこと,下級生へのアドバイス

以下に,研修生の報告資料を参考に,私が受けた感想をまとめさせていただきました.
     (研修生には,報告資料の利用に関して承諾を得ております)

大久保匠悟 君:インターンシップ研修先:(株)長崎ケーブルメディア

大久保君 大久保君の研修先はケーブルテレビ局で,カメラアシスタントが主な研修業務だったそうで,滝の撮影に出かけたり,グラバー園での撮影にも同行したそうです.研修中には生放送のフロアディレクター(アシスタントディレクターのようなこと)も経験したそうです.研修の最後には,自分で映像を撮り,編集する研修もあったそうです.大学では得ることのできない経験をしてきたと思われます.

 彼が研修中で努力した点として,仕事を楽しむ(良い意味で)ために社員の方々とコミュニケーションを積極的にとるように心掛けたことを上げていました. 特に,アルバイトとの違いを強く感じたようで,自分が組織の一員であり,自分の行動が他人に与える影響を意識するようになったそうです.例として,遅刻をあげていました.また,会社に利益をもたらし,貢献することを自身の収入アップと同様に考えているのが社員とアルバイトとの違いである,と感じたようです.失敗した点としては,研修の最後の方になって,ちょっとだらけてしまい,注意されたことをあげていました.

 彼が今回の研修で得たこと・感じたこととして,社員一人ひとりの仕事に対する意識・プライドをあげていました.自身のアルバイトの経験と照らし合わせたのかもしれません.また,普段とは違ったマナーや言葉遣いに気を使い,少し疲れたようでした.普段の言葉遣いと違い,戸惑ったことでしょうが,正しい言葉遣いは社会人になるためには絶対必要,と言ってました.インターンシップのような敬語を話す環境に慣れると,自然と使い分けられるようになると思います.

 最後に,下級生へのアドバイスとして, インターンシップへの参加を勧めていました.正しいマナーや言葉遣い習得のきっかけにもなるし,卒業の単位も付く,ことを強調していました.

 (株)長崎ケーブルメディアには,2008年に本学科の前身の一つ経営システム工学科の学生が1名就職しています.

 

黒岩 亮 君:インターンシップ研修先:(株)十八銀行

黒岩君  黒岩君の研修先は銀行.研修内容としては,銀行業務の基礎を学ぶ講義と地域経済についてのグループディスカッションがあったそうです.中には,私には縁が無いと思われる貸金庫の見学や銀行窓口の対応シミュレーションもあったと報告していました.また,,今後の就職活動のアドバイスとして,模擬面接や筆記試験も体験したそうです.研究期間中は午前中は講義形式の研修で,午後は講義だけでなく店内見学もあったそうです.

 彼がこの研修で最も頑張った点として,誰よりも早い出勤,一番前の席に座る,講義内容をメモし,質問をする,他の研修生と積極的にコミュニケーションをとる.特に,元気だけは誰にも負けないように努めたそうです.しかし,経済の知識不足を痛感したそうです.そのため,今後は日本経済新聞と読む,と宣言していました.

 今回の研修で得たこととして,そのトップに『アルバイトと社員の意識の差』をあげていました.彼の言によると,「社員は会社と言う看板を背負っている.社員は会社のため,アルバイトは自分のために働いている」とのことでした.仕事に対する姿勢の違いを強く認識したのでしょう.また,今後の就職活動での心構えもあげていました.模擬面接などを通して,採用する側の視点に立った時,何が求められるのか,が分かったのでしょう.彼の言によれば,「知識よりも,その会社に入りたいという意欲」が大事とのことです.これから就職活動を控えた学生にとって,最も必要な心構えに一つと思われます.さらに,彼は研修を通じて,人間力の向上にも気づいたようです.普段とは違った世界(環境)の人たちと触れることで人間として成長していく,このことを肌で感じたのでしょう.

 最後に,「なるべく早く自分のやりたいことを見つけて欲しい」,「インターンシップは自分探しの一つの手段である」,「可能であれば,複数の会社へのインターンシップに行ったほうが良い」,など下級生に対して有益なアドバイスをしていました.

 十八銀行ではないですが,長崎銀行へは2005年に本学科の前身の一つ情報制御工学コースの学生が1名就職しています.

 

船津翔太 君:インターンシップ研修先:(株)浜屋百貨店

船津君  船津君の研修先はデパート.研修内容としては,酒類販売コーナーでの接客がメイン.実は船津君,とある電機屋さんでアルバイトをしており,接客そのものには抵抗は感じなかったようです.しかし,接客の際の言葉遣いには特に注意したそうです.一人ひとりの接客姿勢がデパートの評価を左右するわけですから,正しい日本語,的確な表現に苦労したかもしれません.でもそのおかげで,電気屋さんのアルバイトにおいて,正しい敬語の使い方を実践しているそうです.このことは,これからの就職活動においても,プラスになること間違いなしです.

 一方,今回の研修で「心配したな」と感じたこととして,商品知識の少なさをあげていました.これは,失敗と言えるかどうか.人間誰しも最初は何も分かりません.そこから知識や経験を積み重ねて,必要とされる能力を身に付けていきます.船津君も短い研修期間ながら,本を借りて,重要ポイントをメモし,基本的なところから吸収していき,研修後半には積極的に商品紹介もできるようになったそうです.また,その頃には,お客様に対する商品案内から会計・包装までの一連の誘導ができるようになったそうです.

 今回の研修で彼が得たこととして,『挨拶』『おもてなしの心』『長崎の小売の歴史』をあげていました.『挨拶』は単に言葉ではなく,お辞儀の仕方に始まります.自身の意図をうまく相手に伝えるためには,どのような(角度の)お辞儀が良いのか.重要なのは,形式ではなく,心を伝えること.その意味での挨拶の重要性を感じたようです.『おもてなしの心』は相手(お客様)の側に立って,うれしいと思うことをしてあげること.自己中心的になりがちな私たちにとって,相手(他己)中心で考えることの重要性を再認識させられました.また,『長崎の小売の歴史』は今回の研修が無ければ,得られなかった知識でしょう.歴史を知ることで,将来に備えることができます.彼の今後にとって,重要な経験になったことでしょう.

 最後に下級生へのアドバイスとして,いくつか項目をあげていましたが,その中で『メモをとること』『報連相(報告・連絡・相談)』『指示される前の行動』を強調していたように感じました.
『メモをとること』は指示される前に,必要と思われることはどんどんメモすること(メモ内容は整理することも忘れないように).実際,彼のメモ帳,何ページにもわたって,びっしり書かれていたようです.
『報連相』は会社のような組織で働く場合,最も必要なコミュニケーションであると感じました.上司から指示された事の実施または経過報告,自身が受けた指示や指摘などの周囲への伝達(連絡),指示内容の実施における諸問題の上司等への相談.
『指示される前の行動』は仕事に対する姿勢の現れだと思われます.仕事全体に対する自身の位置づけを考え,そこで期待(要求)される個々の仕事を自らの意思でこなしていく.この場合でも,勝手にするのではなく,報連相を忘れてはならない事は言うまでもありません.

 浜屋百貨店には,ちょっと前ですが,1983年本学科の前身の一つ経営システム工学科の学生が1名就職しています.その方は,現在では重要なポストについて活躍している,と研修先へ事前に挨拶に伺ったときにお聞きしました.

福田竜也 君:インターンシップ研修先:AIGコミュニケーションワン(株)

 福田君は就職面接のため参加できませんでしたが,彼が用意してくれた報告資料をもとに,本学科の古山滋人助教が代わりに報告してくれました.

 福田君の研修先は長崎県内のAIGグループの3生命保険会社(アリコジャパン,AIGスター生命,AIGエジソン生命)の総務・人事部門を担当している会社です.研修について,本人の感想では,職場体験と言うよりも,就職活動セミナーのように感じたそうですが,どこへ就職しようと役に立つ事をその現場で学んだようです.実はこの会社,研修生受入に先立って,研修内容を大学側にも提示してくれ,その内容の充実ぶりに,インターンシップ担当者(古山先生もその一人)も注目していたそうです.その内容には,社会人としての意識,マナーやビジネスコミュニケーション,AIGとしての法令遵守の考え方,保険のしくみや業務体験などがありました.

 保険のしくみを学び接客等の実習もする『保険の一生』では,保険の基礎知識はもちろん,保険業のしくみを学び,接客時の言葉遣いに苦労したようです.保険はこれからの人生,必ず関わりを持つものなので,彼にとって,良い勉強になったことでしょう.また,業務体験では,グループ内の社員のPCトラブルに対応する会社に配属され,実際のトラブル対応やソフト配信などを体験できたようです.また,就職活動本番で役立つ模擬面接では,準備と慣れが重要であると感じたようです.そこでは,自身の面接だけではなく,他の研修生の面接を見ることもでき,多くを学んだそうです.その経験が,報告会当日の就職面接に生かされることと思います.

 また,彼はこの研修での出逢いとして3つあげていました.『仲間との出逢い』『会社との出逢い』『自分との出逢い』.『仲間との出逢い』では,今後の就職活動に打って出る際の心強い仲間を得たようです.『会社との出逢い』では,会社と言うよりもそこで働く社員との出逢いであり,仕事に対する姿勢やマナーや報連相の重要性を肌で感じることができたことに感謝しているようでした.『自分との出逢い』では,ジョハリの窓(参考1,参考2)による自己分析などを通して,知らなかった自分を発見できたそうです.このことは,これからの就職活動には大いに役立つでしょう.

 最後に,彼は今回の研修を通して,確実に成長できた,と言っています.昨年(2年生のとき)も受けておけばよかった,とも言っています.この言葉がすべてを物語っていると感じます.自身を成長させ(自らを再発見し),就職(人生)に対して何らかの方向性を見出せるのではない,と下級生にもインターンシップを受けることを勧めています.

 AIGコミュニケーションワンには,本学科4年生1名が本年度の早い時期に内定をもらっています.

 

文責:経営情報学科 日當明男