長谷野 雅哉,木村 喜久雄,田中 義人 (長崎総合科学大学)
澤田 真也,三原 智,村上 哲也,村田 次郎,村松良作,安田 啓介 (京都大学)
大熊 靖夫,芳賀 実紀子,三明 康郎,八木 浩輔 (筑波大学)
落石 宏之,中村 裕之,森信 俊平 (九州大学) 菅谷 頼仁 (東京農工大学)
田中 万博,長坂 康史,安 芳次,山野井 豊 (高エ研) 柴田 徳思 (東大核研)
上蓑 義朋 (理研安全管理室) 江田 茂 (放医研)
Abstract
高エネルギー物理学研究所(KEK)で現在行われているE337実験(KEK PSを 用いたマルチフラグメンテーション反応の研究実験)では、37個のブラッグカ ーブカウンタから148チャンネルの入力信号があり、1秒当たりおよそ5kト リガーイベント、1トリガーイベント当たりのデータ量は8〜23wordである。 本実験の場合、UNIXワークステーションだけのシステムでは、トリガー当たり のマルチプリシティが変化しデータ量が可変長であるため検索時間が長くなる と共に、コンピュータI/Oを介してCAMACバスに接続されているため、CAMACモ ジュールへのアクセス時間、UNIXワークステーションへのデータ転送時間も長 くなるため、多量のデータを収集することは困難である。そこで、本研究では UNIXワークステーション(FORCE SPARC CPU-5CE)を用いたデータ収集システ ムに、CAMAC 補助クレートコントローラ(Auxiliary Crate Controller 以後 ACCと呼ぶ)を付加することで高速なデータ収集を実現した。なお、データ収 集ソフトウェアにはKEK PSで標準的に用いられているUNIDAQを使用した。
ACCは、動作クロック40MHzのM68030をMPUと1MBのデュアルポートRAMを持っ ており、プログラムによりCAMACバスをコントロールし、収集データをメモリ 上に記憶する。ACC上に記憶されているデータはスピルオフの間に、UNIXワー クステーション上のUNIDAQにより読み出され、ハードディスクに保存される。 処理を分散化するため、ネットワークを通じ、別のUNIXワークステーション( Linux IBM-PC互換機上に構築されたUNIX)にもデータが送られリアルタイムに モニタされている。
ACC上で動作するプログラムは、UNIXワークステーション上でC言語を用い て行いGNUのCコンパイラにより68030機械語にクロスコンパイルしダウンロー ドされる。今回、開発したACC用データ収集ライブラリはプログラム作成を容 易にするためKEKデータ収集ライブラリ(CAMLIB)と互換である。